【ピアノ五重奏の魅力に浸る：５周年記念シリーズVol.1】

1/27（土）　「やっぱり鱒でしょ！ピアノ五重奏はお好き？」に多数ご来場いただき誠にありがとうございました。
３年ぶりにこのメンバーでの再演となりましたが、３年間のそれぞれの歩みが活かされた深みのアンサンブルを聴くことができたと思います。
前半は５人の”顔見せ”的に様々な編成での室内楽作品を演奏。 オープニングはシューベルトの弦楽三重奏曲。演奏機会は少ないが非常に明るく親しみやすい曲で宮廷のサロンコンサートのような世界が広がります。
そしてディッタースドルフのヴィオラとコントラバスのデュオ。普段縁の下の力持ち的な存在の２つの楽器のデュオ作品ですが低弦の魅力が聴ける美しいハーモニーを楽しめました。
ハイドンのジプシートリオでは今までの弦楽合奏にピアノが加わることでの音楽の変化が面白い。特にジプシートリオというタイトルの源となっている第３楽章のハンガリー風舞曲は前半の最後を飾るのにふさわしい迫力溢れる演奏でした。
そしてお待ちかねの「鱒」。 ５つの楽章からなる壮大な五重奏曲。コントラバスを編成に入れること、歌曲「鱒」のモチーフを入れることという委嘱者からの注文に忠実に創作されておりオーケストラを聴いているような音の厚み、おなじみの「鱒」の旋律がさまざまな変奏で登場する第4楽章はやはりこの作品の一番の聴きどころだと思います。
第５楽章でも鱒は登場し５人の集中力とネルギーが集約され迫力あるフィナーレとなりました。



それぞれの活動で多忙な５人ではありますが、次また何年後かにこのメンバーでの公演ができればと思います。

◎演奏
伊藤瑳紀（ヴァイオリン：大阪交響楽団）
椎名弘明（ヴィオラ：関西フィルハーモニー管弦楽団）
大谷雄一（チェロ：大阪交響楽団）
渡戸由布子（コントラバス：大阪交響楽団）
多川響子（ピアノ）
◎プログラム
♪F.シューベルト：弦楽三重奏曲第１番変ロ長調D471より
I. Allegro

♪C.ディッタースドルフ：ヴィオラとコントラバスのための二重奏曲変ホ長調
I. Allegro moderato
II. Menuetto : Allegretto
III. Adagio IV. Menuetto : Allegretto
V. Tema con variazioni : Allegretto

♪J.ハイドン：ピアノ三重奏曲ト長調 「ジプシートリオ」Hob.XV:25
I. Andante
II. Poco Adagio
III. Rondo all'Ongarese: Presto

♪F.シューベルト：ピアノ五重奏曲イ長調　D667「鱒」
I. Allegro vivace
II. Andante
III. Scherzo : Presto-Trio
IV. Thema, Variation　I～V ：Andantino - Allegretto
V. Finale Allegro giusto

2024.1.27 ヒビキミュージックサロンリーヴズにて

★次回５周年シリーズは北口大輔無伴奏チェロライブです。
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